第238話

病室での会話が途切れたころ、アルファのキリアンが片手を上げ、ノックしてから中へ入ってきた。

エイラは振り返り、怪訝そうに言った。「何か忘れ物?」

「パロアルトへ戻る便がいつになるか、確認したい」

メッセージで済む話だ。けれど彼は、わざわざ歩いて戻り、本人の口から聞きに来た。

一瞬、エイラは自分がこの取り決めの主導権を握っているような気がした。

「明後日よ」

アルファのキリアンは低く「ふむ」と喉を鳴らし、ミス・グウェンに軽くうなずいた。

「おやすみ」

それだけ言うと、振り返りもせずに出ていった。

エイラはしばらく扉を見つめ、それから携帯電話を手に取った。取り決めどおりの日当、一...

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